経営者必見!営業マネジメントを自動化するSalesforceダッシュボード運用術

経営者は売上状況や施策進捗に関する質問を営業メンバーに飛ばしがちです。しかし営業サイドとしてはデータ収集や会議に向けた準備などに時間を使う必要が出てくるため営業活動の時間が減ってしまいます。GLナビゲーションでは、「Salesforceダッシュボード」を作成することで、営業マネジメントを自動化しています。セールスDX体制の構築に興味がある方に向けて、Salesforceダッシュボード運用術をお届けします。

【基礎用語】Salesforceダッシュボード機能とは?

一般的にダッシュボードとは、複数のデータを分かりやすいグラフ形式で一つの画面に一覧表示することができるツールを指します。日々変化する営業活動の状況をリアルタイムで把握し、多角的な観点から全体像をすばやく把握、分析することができます。

Salesforceのレポート機能とは?

Salesforceのレポート機能とは、蓄積したデータを指定した形式で表示することができ、目的にあわせて条件別に抽出、集計、分析に活用することができる機能です。

  • 表形式:行と列で構成され、レコード一覧やレコード件数の総計を表示することができます
  • サマリ:表形式のレポートを元にグルーピング集計を加えて表示することができます
  • マトリックス:サマリレポートを元にグルーピングを行と列に拡張して表示することができます。項目をクロス集計し、営業担当者ごとに売上進捗や売上総計を比較することができます。

Salesforceのドリルダウン機能とは?

Salesforceにはドリルダウンと呼ばれる機能が付いています。ドリルダウンとは、マーケティング用語で、「掘り下げる」という意味で使用されますが、ダッシュボードで表示されているグラフの元となるレポートをドリルダウンすることで、例えば全体の営業実績から、「特定の営業員の営業実績」「特定の商談内訳」「特定のアプローチリストの成果」といった詳細を確認することができます。

Salesforceダッシュボード作成のメリット

Salesforceダッシュボード作成のメリットは主に以下になります。

  • 営業からの報告や営業へのヒアリング時間の削減
  • 会議進行を目的(KPI進捗や結果の振り返り)に合わせてスムーズに進行することができるようになる
  • 営業のキーアクションをプレイブック的に設定することで商談確度の引き上げや個々人の課題把握、振り返りがしやすくなる

ダッシュボードを作成する上で重要なポイントが、「会議の目的」と「話し合う項目」を決めて、それに基づいてダッシュボードを作ることです。以下では具体的な運用術をお伝えします。

GLナビゲーションのダッシュボード運用術「1会議1ダッシュボード」 

GLナビゲーションの営業ダッシュボードには、例えば次のように目的別に存在します。

・売上と利益の現状を把握できるダッシュボード

・月別推移を把握できるダッシュボード

・四半期別で把握できるダッシュボード

・年単位で把握できるダッシュボード

・受注率が高い顧客のダッシュボード

GLナビゲーションには、「おはようGL」というダッシュボードを見ながら毎朝の営業ミーティングを開いています。毎朝の営業ミーティングで確認したいポイントはすべて確認することができます。

【おはようGLの中身】

・目標進捗:決定数、粗利金額の進捗率、

・商談状況:商談数、見込み、受注理由・失注理由、BANTの確認状況率

・行動結果:前日の提案数、提案内容

おはようGLSFキャプチャ
おはようGLSFキャプチャ

営業メンバーは「おはようGL」を見ながら打ち合わせを実施しています。気になる部分があればダッシュボードの項目をドリルダウンして、詳細を見ていきます。前日、前週、前月との比較等を行い、数値だけでなく行動量等にもばらつきが出ていないかを確認しています。このダッシュボードを見ながら会話することができる状況です。

Salesforceのダッシュボードがドリルダウンに優れているため、ミーティング中に気になる部分が出てきた際にその場で確認ができるため、「後で整理して共有します」といったやりとりを減らすことができます。

営業以外にも契約管理等にも活用することができる

他にも、営業事務のメンバーが契約管理や請求書の状況を管理した場合にもダッシュボードでチェックできるようになっています。目的別に作成するダッシュボードと会議や定例で行われるアジェンダが確認できるダッシュボードが存在します。

今稼働している契約状況、翌月終了予定の案件、受注後の契約に向けたステップの進捗状況などを確認することができます。今日明日に提出しなければならない請求書の有無、「期限切れが16個もあるけど大丈夫?」なども一覧で把握できます。経営に必要なKPIが全て見れるようになっています。

オートメーション化する前段階として、分析したい項目に合わせて入力項目を設計することが重要です。そして、「Yes/No」「チェックをするだけ」といった、入力者の心理的負担を減らすような設計が重要になります。

Salesforceダッシュボード作成を成功させる2つのポイント

Salesforceダッシュボード作成を成功させる2つのポイントを解説します。

GLナビゲーションでは、Salesforceを売り上げを伸ばすための羅針盤として活用しています。つまりSalesforceの項目を入力すればするほど売り上げが向上します。現状分析をするためではなく未来志向、売り上げを伸ばすための分析ができる状態の構築をゴールに置いています。

項目設計は、「売り上げに寄与する」「入力負荷を最大限省く」ことが大事です。売上の現状見込みの管理や売上見込み、顧客への対応状況の管理を目的に設定されることが多くありますが、記入欄が多いと上手く運用が回らず、売り上げの増加に結びつけることは難しくなります。そこで以下2点が重要になります。

(1)分析で活用するデータのみを取得

GLナビゲーションでは、Salesforceの登録項目は基本的に後で分析するためのデータを取るための項目になっています。

徹底したデータ化、数値化を進めるために「項目はチェックボックスだけにする」「数字を入力するだけ」「なるべくフリーのテキストを入れず文章量を減らす」という設定をしています。属人的で表記ゆれが多発するフリーテキストをなるべく省き、受注につながるキーアクションを設計して「できた/できない」を「Yes/No」で判断できるように設計しています。

また、受注に繋がる「キーアクション」を設計、入力やチェックボックスにチェックを入れる作業を通じてキーアクションが実行できているかどうかを営業メンバーが確認するプロセスにすることで、売り上げが伸びるような行動提案を促す設計になっています。

(2)ステージ設計は「顧客を主語に置く」

自分たちのステータスを管理するためではなく、あくまでも顧客を主語に置いたステージ設計にすることが大事です。顧客に満足してもらうことをゴールにしたカスタマージャーニーの設計がすごく重要になります。

例えば、ステージ定義を「初回アポイントが取れた」ではなく、「顧客は自社の課題が明確であり、GLからの提案が課題解決に繋がることに同意した状態でアポイント日程を確定した」といった、顧客を起点とした定義にしています。

そうすることで、営業が独りよがりに営業プロセスを進めるのではなく、各ステージ毎に顧客がメリットを感じるアクションが必ず実施されるような設計にしています。

このような入力項目にすることで、営業が受注確度を上げるために何をするべきかが明確になり、案件が停滞した際の相談の精度も高まります。

(3)事前準備のための項目設計例と運用のポイント

アポイントに向けて準備すべき活動をSalesforceの重要指標に設定するようにしています。この重要項目も顧客を主語にして設計されています。

例えば「商談」の項目の場合は以下のような重要指標を設定しています。

「候補者が面接官の情報や評価ポイント・NGになる傾向を理解しているか」

「候補者が募集背景や求める人物、業務内容を理解しているか」

「候補者と本プロジェクトに決めるための条件について合意できているか」

「取引先から口頭でオファーをもらっているか」

つまり自分たちが何を行ったかではなく、顧客がどのように思ったかということに重きを置き、それを実行するために必要な活動をチェック項目にしています。

チェック項目自体にバイアスが掛かっている可能性もあるため、各ステージごとのチェック項目はそれを満たさないと次のステージに進めないわけではありません。あとから分析をした際、重要指標がチェックされているものとチェックされていないものとでどれくらい受注率が変わるのかを振り返れるようにしています。

まとめ:ダッシュボードを会議の確認事項にすることが大事

本記事でご紹介したシステムやダッシュボードが会議におけるインフラになります。自然とツール活用が組織に浸透し、会議で使うなら絶対に入力しないといけないという強制力を発揮することになります。

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